引き出しの中の半年分
吉田彩さんは、二人のスタッフとデザイン事務所を営んでいます。仕事は順調です。順調すぎて、この半年、帳簿のために使える午後は一日もありませんでした。発行した請求書はメールの中、仕入先の請求書はフォルダの中、タクシーや文房具の領収書は、もう閉まらない引き出しの中です。
ある月曜日、税理士から連絡が来ました。年次の申告の準備のため、三週間後までに帳簿を最新にしてほしい、と。彩さんは引き出しを開け、しばらく眺めて、また閉めました。どこから手をつければいいのかわからない。だからこそ、これまで手をつけられなかったのです。
なぜたまってしまうのか
怠けているからたまるわけではありません。お客様の仕事はいつも急ぎに見え、一週間分の記帳は小さく思え、半年分は不可能に思え、引き出しを開けると何が出てくるか怖いからです。遅れは遅れを呼びます。大きくなるほど始めにくくなる。だから必要なのは強い意志ではなく、計画です。
始める前にそろえるもの
- たまっている各月の通帳や入出金明細(PDFでも紙でも)。
- お客様に発行した請求書と、仕入先から受け取った請求書。
- 現金やカードで払った経費の領収書。
- 借入、賃貸、設備購入の契約書。
- 最後に締めた貸借対照表、少なくとも期首の残高。
七つの手順
- 出発点を決める。 記帳を始める日を決め、各科目の開始残高を書き出します。現金、預金、売掛金、買掛金、借入金、元入金。
- 月ごとに分ける。 一か月に一つの封筒かフォルダ。まだ何も記帳しません。
- 銀行の記録を軸にする。 明細の一行一行が一つの仕訳です。入金、支払、手数料。銀行は何も忘れないので、ここから始めます。
- 銀行に現れないものを補う。 現金で払った経費、まだ入金のない掛売上、まだ支払っていない仕入先の請求書。
- 一か月ずつ締めてから次へ進む。 銀行残高を照合し、試算表を確認し、すべて一致したらその月を締めます。
- 足りないものを書き留める。 請求書がなければ仕入先に、明細がなければ銀行に依頼します。数字を作ってはいけません。
- 現在に追いついたら、毎週の時間を決める。 毎週金曜日の一時間で、引き出しが再びいっぱいになることはありません。
どのくらいかかるか
かかる時間を決めるのは月数ではなく取引の件数です。最初の一か月がいちばん時間がかかります。取引の種類ごとに記帳の仕方を決める必要があるからです。二か月目からはその決めごとを繰り返すだけなので、ずっと早く進みます。件数が非常に多い場合や、期限を過ぎた税務上の義務がある場合は、最初から税理士に相談しましょう。
避けたいこと
- 後で誰にも説明できない「半年分の調整」という一つの仕訳。
- 早く現在に追いつこうと月を飛ばすこと。どの月も前月の残高を引き継いでいます。
- 合わせるために数字を作ったり丸めたりすること。説明のつかない差は情報ですが、作った数字は隠れた誤りです。
- 個人のお金を忘れること。事業が個人の支出を払っていたら、経費ではなく事業主貸として記帳します。
彩さんの三週間
彩さんはカレンダーに三回の土曜日を確保しました。一回目は書類を月ごとに分け、開始残高を入力しました。1月の記帳には午前中いっぱいかかりました。2月はその半分。二回目の土曜日に3月、4月、5月を締め、三回目に6月と最後の銀行照合を終えました。ある仕入先の請求書が二通足りませんでしたが、火曜日にメールで届きました。
彩さんは期限の二日前に帳簿を税理士に渡しました。それ以来、毎週金曜日の夕方五時に、その週の記帳をしています。一時間もかからず、一週間でいちばん落ち着ける時間だそうです。
Aconta Online の役割
Aconta Online では、開始残高を入力し、取引が実際にあった日付で仕訳を記録しながら、一か月ずつ進められます。貸借が合わない仕訳はその場ではじかれ、試算表は自動で更新され、確認が済んだ月は締めて、後から何も変わらないようにできます。最初の一社は無料で、カードの登録も不要です。
よくある質問
たまった帳簿はどうやって追いつかせればよいですか。
計画に沿って進めます。開始残高を決め、証憑を月ごとに分け、まず銀行の取引を記帳し、現金や掛けの売上・仕入を補い、一か月ずつ締めてから次の月に進みます。
何か月も記帳していない場合、どこから始めればよいですか。
最初にたまった月の銀行明細からです。一つひとつの取引が仕訳になり、銀行は一件も忘れません。
遅れた月の分をまとめて一つの仕訳にしてもよいですか。
おすすめしません。まとめた仕訳は説明も確認もできず、誤りを隠し、あなたにも税理士にも何か月分も情報のない状態を残します。
請求書が足りない場合はどうすればよいですか。
仕入先に写しを依頼し、未着であることを書き留めます。月を締めるために金額を作ったり丸めたりしないでください。
