ガイド · 会計システムと各国の制度

エルサルバドルの会計:法律が求める帳簿と、記帳できる人

エルサルバドルでは、すべての商人が帳簿をつけますが、つけ方は同じではありません。このガイドでは、商法の要件、会計士が必要になる条件、付加価値税の帳簿、電子インボイスを、ノートより早く成長したパン屋の物語とともに説明します。

サンサルバドルのメトロポリタン大聖堂の空撮。背景に街並みと火山
写真:Diego Lopez、Pexels

サンタアナのパン屋

ロサ・エルナンデスさんは、サンタアナでパン屋を開きました。オーブンが一台、テーブルが二つ、そして祖母がほかの誰にも教えなかったケサディーヤのレシピ。最初の一年は、毎日の営業後に自分でノートに帳簿をつけていました。法律もそれを認めていました。

三年後、ロサさんには二台目のオーブン、配達用のバイク、一か月分の小麦粉の在庫、そして掛けで買うお客様がいます。ある日、銀行に出す書類を整理しながら事業の資産を合計してみて、もう始めた頃の小さなパン屋ではないと気づきました。法律の目から見ても同じです。

商法が求めること

エルサルバドルの商法は、すべての商人に、一般に認められた方式で整った会計を行うよう義務づけています。主なルールは次のとおりです。

  • 必須の記録:財務諸表、仕訳帳、総勘定元帳、そのほか事業の会計に必要なもの(第435条)。
  • 言語と通貨:スペイン語で、コロンまたは米ドルで記帳。実際にはドルが使われます。帳簿は国内で管理します(第436条)。
  • 順序:取引は毎日、明確に、日付順に記録し、誤りは消すのではなく仕訳で訂正します(第439条)。
  • 保存:記録は十年間保存します(第451条)。

会計基準は、公認会計士・監査職業監督評議会(CVPCPA)が定めています。同評議会は、上場していない大半の企業の枠組みとして、中小企業向けIFRSを採用しています。

誰が帳簿をつけられるか

ここでロサさんの物語が変わります。第437条は事業の規模で区別しています。

商人記帳する人
資産が1万2,000ドル未満の個人商人商人本人、または本人が指名した人
資産が1万2,000ドル以上の個人商人会計士または認可された事務所、もしくは資格を証明できる商業・経営の課程修了者や記帳係
会社(規模を問わない)上と同じ

さらに、必須の記録は製本された帳簿か、すべてに番号をふった用紙に記入し、商人が選任した公認会計士が認証します。会社の場合は外部監査人が認証します(第438条)。

付加価値税の帳簿

ロサさんが付加価値税(エルサルバドルでは13%)の納税者として登録すると、商法には出てこないものの税法が求める帳簿が加わります。仕入帳、課税事業者向け売上帳、最終消費者向け売上帳です。毎月の申告はこれらをもとに作ります。いずれも補助簿で、仕訳帳や総勘定元帳の代わりにはならず、同じ証憑から記入します。

電子インボイス

財務省は数年前から、納税者を電子税務書類(DTE)へと移行させています。義務化は段階的です。財務省が各納税者に発行開始日を通知し、それ以外の事業者は任意で参加できます。会計にとって変わるのは媒体であり、ルールではありません。発行または受け取ったDTEの一つひとつが、仕訳の裏づけとなる証憑です。

パン屋の一か月を仕訳で

付加価値税を分けて記録した、ロサさんの三つの取引です。最終消費者への売上1,130ドルには税130ドルが含まれ、小麦粉の仕入452ドルには仕入税額52ドルが含まれます。

取引借方貸方金額
本日の売上現金1,130
売上1,000
付加価値税(売上分)130
小麦粉の仕入棚卸資産400
付加価値税(仕入分)52
現金452

月末に納める付加価値税は、売上分と仕入分の差額です。130から52を引いて78ドル。どの仕訳も貸借が一致しています。借方に入れた額と貸方に入れた額が同じです。

ロサさんがしたこと

ロサさんは公認会計士に依頼しました。会計士は帳簿を認証し、ただ一つのことを求めました。すべての取引を、証憑とともにその日のうちに記録することです。ロサさんは引き続き売上と仕入を記帳し、会計士は毎月確認して申告書を作り、財務諸表に署名します。もう年末に領収書の箱を渡すことはありません。渡すのは、貸借の合った帳簿です。

Aconta Online の役割

Aconta Online は、会社ごとの仕訳帳、総勘定元帳、試算表、損益計算書、貸借対照表を、ドル建て・複式簿記で管理します。貸借が一致しない仕訳ははじき、記録した仕訳は決して書き換えません。誤りは第439条のとおり、取消仕訳で訂正します。勘定科目表には会計士が使う科目を追加でき、会計事務所は一つのアカウントで複数の会社を管理できます。付加価値税の帳簿の作成、DTEの発行、申告は行いません。それらは会計士と財務省のシステムの役割です。最初の一社は無料で、カードの登録も不要です。

よくある質問

エルサルバドルで義務づけられている帳簿は何ですか。

商法は、財務諸表、仕訳帳、総勘定元帳と、事業の会計に必要な記録を求めています。付加価値税の納税者は、仕入帳と売上帳もつけます。

エルサルバドルで自分で帳簿をつけてもよいですか。

個人商人で資産が1万2,000ドル未満であれば可能です。それ以上の資産がある場合や会社の場合は、会計士または認可を受けた人や事務所が帳簿をつける必要があります。

会計記録はどのくらい保存する必要がありますか。

商法第451条により十年間です。税法が独自の期間を定めることもあるため、会計士に確認してください。

付加価値税の帳簿は仕訳帳の代わりになりますか。

なりません。税のための補助簿です。会計全体は仕訳帳と総勘定元帳に残り、財務諸表もそこから作られます。